戸守はお正月のお飾りにつけるお札のことです。

 大・・・玄関のお飾りにつけます
 中・・・歳神様を祀ってある神棚のお飾りにつけます
 小・・・庭に祀ってある地神、水神様のお飾りにつけます

 玄関のお飾りにつけるお札には「王舎城」とかかれています。この意味ですが、火除けの「お守り」の意味があるそうです。
 日蓮聖人が四条金吾殿へ宛てられた「王舎城事」に、次のように述べられています。
 昔、インドに王舎城という大都市があり、九億万もの多くの家もあったほどです。七度も大火に遭い、焼亡してしまったということです。そこに住む人々は嘆いて、王舎城から逃亡しようとしました。そのとき、賢人がいてこのように言いました。大火というのは、聖人が去ってしまい、王の福運も尽きたときに起こるのです。しかし、万民の家が焼けても、王宮は焼けていないではありませんか。これは王様に罪はなく、万民の罪なのです。ですから万民の家々もみな王舎(王様の客殿)と名乗れば、火の神もその名を恐れて、火災を起こすことなどないでしょう。そこで万民の家もみな王舎城と名乗ったところ、それからは火災が起こらなかったのです。
 この伝説から、のちに棟札に火除けの意味をこめて、「王舎城」と書写するようになったと言われています。
 また、鬼子母神が人間の子どもをさらって食べていたという伝説の舞台はこの王舎城です。
お釈迦様が法華経を説かれた霊鷲山もこの王舎城にあります。